忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

雨降りの月夜

----------------------------------
■詩・単発
----------------------------------

■雨降りの月夜
 
 
しとしとと降り続ける雨。
 
窓からそっとのぞくわたし。
 
 
いつから雨が降り始めたのだろう。
 
そんなことを考えながら、そっと雨戸を閉じる。
 
 
それでも室内には雨音がかすかに響く。
 
その音に抱かれながら、わたしは深い眠りにつく。
 
 
月夜は翳り、星の光さえも見えない夜の出来事だった。

拍手

PR

雄犬よ雄犬、何故遠吠える

----------------------------------
■詩・単発
----------------------------------

■雄犬よ雄犬、何故遠吠える
 
 
雄犬よ 雄犬 何故遠吠える
 
白月(はくつき)が翳り、寂しいのか
 
 
 
雄犬よ 雄犬 何故遠吠える
 
夜風が 染み入り 主が恋しいのか
 
 
 
草木は暗闇に沈み 蛙の鳴き声ばかりが 響く
 
響く声音は淡々と ただ遠く どこまでも
 
 
 
雄犬よ 雄犬 何故遠吠える
 
 
 
雄犬よ 雄犬 何故遠吠える

拍手

コモロとシャボン玉

----------------------------------
■物語り風ショートストーリー
----------------------------------

■コモロとシャボン玉
 
 
みどりがみずみずしく弾く、新春の、少し肌寒く、少し暖かな森の中。
 
コモロは小さな、シャボン玉に出会った。
 
それは青々とした緑をより色鮮やかに反射し、
 
きらきらとゆらめいては、
 
また新たな緑を大空の色と重ねて、
 
うっとりと色を変えるのだった。
 
 
 
そばにあった半透明のふきの葉をちぎりとると、
 
コモロは薄汚れた手のひらで、そうっと慎重にシャボン玉を包んだ。
 
 
 
そうっと、そうっと、壊れぬように。
 
 
 
そうしてできたふきの葉を大事そうに両の手で持つと、
 
コモロは家へと走り出した!
 
 
 
風よりも早く。
 
景色は遠のいて。
 
 
 
コモロは勢いよく家のドアを開けると、
 
ダイニングテーブルの上にそっと丸めたふきの葉をおろした。
 
 
そうして今度は慎重に、あの半透明のふきの葉を開きにかかる。
 
 
 
そうっと、そうっと、壊れぬように。
 
 
 
コモロははっとした。
 
シャボン玉は、消えていた。
 
 
 
つかの間、まるで時間が止まったようだった。
 
 
 
コモロは寂しく、クルルと鳴いた。
 
 
 
シャボン玉は消えた。どこかへ消えた。
 
 
 
あの色鮮やかなシャボン玉は、どこへ消えてしまったのだろうか。
 
コモロはちょっと考えたが、全く想像がつかなかった。
 
 
 
コモロは再び、クルルと鳴いた。
 
今度はちょっと、不思議気に。
 
 
 
そうして窓の外の夕暮れに目を向けると、コモロはひとり、
 
夕食の支度を始めるのだった。

拍手

記憶を失った少年

----------------------------------
■物語り風ショートストーリー
----------------------------------

■記憶を失った少年
 
 
心地よい、水のせせらぎで目が覚めた。
ぼうっとする頭を押さえ、あたりを見渡す。
 
ここは、どこだ?
 
小さな滝が目に入った。
 
どうしてここにいる?
 
覚えているのは記憶の断片ばかりで、
重要な、確かな何かを思い出せない。
 
頭をこすりながら、少年は立ち上がる。
体は重く、久々に歩いたような気分だった。
 
「うう・・・」
 
思わずうめきが漏れ、数歩進んだ足が止まる。
 
見上げた空には太陽が高く上がっていて、どうやら今は昼時のようだ、
とぼんやり思った。
 
周囲を見渡し、自分の荷物らしきものを探す。
 
大振りの、リュックが見えた。
 
少年は少し考え、その荷物を漁ることにする。
自分につながる何かが、あるかもしれないと思った。
 
中には手製の書きかけの地図、不思議な文様の象られたコンパスなど、
おおよそ旅人が持っているだろうものがごろごろと入っていて、
自身につながるものは入っていないようだった。
 
諦めよう、そう思ってポケットに手を当てた瞬間、わずかなふくらみがあるのに気付く。
 
少年はそうっと、ポケットの中身を取り出す。
 
それは、しわくちゃになった1枚の写真。
 
二人の少年が写っている。
 
これは、この景色は、この少年たちは。
 
「あぁ…」
 
安どのため息が漏れる。
 
 
思い出した、思い出したよ・・・
 
「ありがとう、ディン・・・」
 

拍手

謌唄いの詩

----------------------------------
■物語り風ショートストーリー
----------------------------------

■謌唄いの詩
 
 
ショーが始まる。
 
舞台袖の小さな楽屋の大鏡の前で、
謌唄いのリオンはそっと姿勢を正した。
 
鏡に映るその姿を、じっと見つめる。
 
遠い異国の色鮮やかな水色のペンダント。
 
古き民族から貰った、新緑のブレスレット。
 
純白のリングに、渡り鳥をかたどったピアス。
 
どれも黄金色の真鍮に、厳かに飾られている。
 
 
これらは全て、彼女が旅の途中で集めてきたものだ。
 
遠く長い、旅の途中で。
 
 
神秘的なものを纏うと、その香りが立つ。
 
そうリオンは感じる。
 
 
目を向ければその時々の様相が脳裏に浮かんでは消え、
異国の風が頬をなでる。
 
彼女はしばし、その余韻に浸る。
 
 
観客席から歓声が響く。
 
ショーが、始まる。
 
 
リオンはすらりと立ち上がると、舞台への階段を登り始める。
 
異国の優美な、香りを漂わせて。

拍手

カレンダー

06 2020/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

プロフィール

HN:
性別:
女性
自己紹介:
==================
現在イラスト関連のお仕事募集中です!
==================

最新コメント

[07/03 arusora]

最新トラックバック

ブログ内検索

バーコード

●○●○●

クラウドソーシング「ランサーズ」